シフト&ブレーキケーブル交換(ロードバイクのオーバーホール⑤)

ロードバイクケーブル交換 メンテナンス
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オーバーホールの最後はシフトブレーキのワイヤー交換を行いました。

もちろん、インナーだけでなくアウターケーブルも交換します。

合わせて、ハンドル交換とバーテープも交換しました。

準備&シフトケーブル交換

まずはケーブル類を交換するにあたっての必要パーツを揃えました。
ロードバイクケーブル交換

左からブレーキケーブルセット(SIL-TEC)、シフトケーブルセット(OPTISLICK)、上にあるブレーキアウターキャップ2種ケーブルライナーブレーキガイドパイプ(フレキシブルタイプ)となります。

ケーブルセットは共にシマノのセカンドグレードです。

キャップ類はセットに含まれているのですが、ブレーキ関係が2つほど足らないため別に用意(と言うか在庫として所持)しました。

ケーブルライナーは必要ない車種もあるでしょうが、今回の車種ではケーブルを内装する部分に必要となります。

次に必要な工具ですが、左からワイヤーカッターヤスリカッターハサミとなります。
ロードバイクケーブル交換

左にあるチューブは内装部分からワイヤーを抜くときに仮に通しておくためのものでしたが、実際には使い古したケーブルライナーを使用しました。

工具の中でワイヤーカッターだけは切れ味が良い物を選びましょう

ケーブル交換の出来栄えはアウターケーブルの切断面をいかにきれいに仕上げるかが大きいので、この工具だけは慎重に選んでください。

最初の作業としてハンドルのバーテープを剥がして、シフト位置をインナー・ハイにします

シフトワイヤーにテンションが掛かっていない状態で始めないとならないので、必ずフロントはインナー、リヤはハイにしてから作業します。

ブラケットカバーをめくるとシフトケーブルの先端が見える状態になっていれば正解です。
ロードバイクケーブル交換

今回はハンドル交換もあるため、この段階で取り換えてしまいました。

まずはブラケットを留めているネジを緩めて、抜き取ることができる状態にしておきます。
ブラケット固定ネジ

次にハンドルを留めているネジを外してハンドルを取り替えます。
ハンドル固定ネジ

さて、ケーブル類の交換ですが、まずはリヤのディレイラー周りから始めました。
ロードバイクケーブル交換

BB下からリヤディレイラーまでが内装式になっているため、このようにアウターケーブルを抜いてくるとその先はインナーケーブルのみになります。

このままインナーケーブルを抜いてしまうと再度通す時に苦労するため、仮にケーブルライナーを通しておきます。
ロードバイクケーブル交換

この時のケーブルライナーは一時的なものなので新品である必要はありません。

仮のケーブルライナーを差し込んでBB下まで貫通したら、インナーケーブルを抜くことができます。
ロードバイクケーブル交換

仮のケーブルライナーは作業中に抜けてしまうことがあるため、テープで押さえておくとよいでしょう。
ロードバイクケーブル交換

この車種の場合にはトップチューブから先ほどのBB下までケーブルライナーが通っているため、インナーケーブルを抜いてしまいます。
ロードバイクケーブル交換

上の画像では蓋下に見えているのは金属製のガイドでその中をケーブルライナーが通っています。
ロードバイクケーブル交換

時系列が飛びますが、ここに外した古いワイヤーを挿入してケーブルライナーを新しいものに入れ替えます。
ロードバイクケーブル交換

ブラケットカバーをめくるとケーブルを保護のがあります。
ロードバイクケーブル交換

その蓋を開けてケーブルを押し込んであげると、ケーブルヘッドが出てきます。
ロードバイクケーブル交換

シフトケーブルが取り出せたら、新しいケーブルを準備します。
ロードバイクケーブル交換

まずはブラケット側のハンドルからフレームに入る部分に使用するアウターケーブルを適切な長さに切断します。
ロードバイクケーブル交換

カットする際のコツとしては、カッターに挟み込んだ状態から一気に切断すると綺麗に仕上がります。

カットにより中央のチューブが変形してしまったら、千枚通しなどで穴の形を補正してあげれば問題ありません。
ロードバイクケーブル交換

カットの際に古いワイヤーを通して一緒にカットすると変形しにくいですが、シフト用に関しては変形後に修正しても作動にはほとんど影響ありません。

ブラケット側には下記のようなノズル付きのキャップを取り付けて、キャップの凸部をブラケットの溝に合わせて挿入します。
ロードバイクケーブル交換

アウターケーブルが設置できたら、インナーケーブルを通していきます。
ロードバイクケーブル交換

ケーブルを通して引っ張っただけではヘッド部が適切な位置に入らないため、細い工具などで適切な位置に押し込んであげます。
ロードバイクケーブル交換

ちょっと分かりにくいかもしれませんが、斜め上方向に入り込んだ状態が正解です。
ロードバイクケーブル交換

古いケーブルを抜き出す前に状態を覚えておきましょう。

アウターケーブルの端に取り付けるキャップにはいくつか種類があります。
ロードバイクケーブル交換

長くて3本ラインがあるものがリヤディレイラー前に使用して、2本ラインはそれ以外に使用するようになっています。

正直、この違いが何なのかはよくわかりませんし、低グレードのセットには3本ラインが入って無かったかので間違えても致命的な問題は起きないでしょう。

元の通りワイヤーを通し終えたらディレイラーに固定します。

この時にワイヤープライヤーがあるとしっかり張った状態で固定できるため便利です。
ロードバイクケーブル交換

ディレイラーの調整についてはhttps://cycle-tv.com/post-3537https://cycle-tv.com/post-1668にて紹介しています。

ブレーキケーブル交換&バーテープ交換

次にブレーキケーブルの作業となりますが、基本的にはシフトーケーブルと行程は同様となります。

ただ異なる点もいくつかあったので、その点を説明したいと思います。

ブレーキラインにはガイドパイプを使用するのですが、今回フレキシブルタイプにしました。

前回までは90°で固定されたガイドパイプを使っていたため、接続するアウターケーブルの長さが違ってきます。
ロードバイクケーブル交換

そのため、現物合わせでハンドルの切れ角に影響が無く、かつ見た目が綺麗になるよう短く調整しました。

テープがカット位置なのですが、まずはそれよりも少しだけ長めにカットします。
ロードバイクケーブル交換

次にカット位置までカッターで表面のゴムを切り取ります(画像がボケてしました)。
ロードバイクケーブル交換

すると中かららせん状の金属が現れますが、このらせんのつなぎ目が大事です。

パイプカッターの上側の歯をこのらせんのつなぎ目に合わせて、アウターケーブルを挟み込みます。
ロードバイクケーブル交換

ここがすごく大事ですので、刃先を左右に滑らせてきちんとつなぎ目にかかっていることを確認します。

その状態から一気にカッターで切断するとアウターケーブルがほとんど潰れずにカットすることができます。

できればパイプカッターの握りの片側を床につけて、体重を掛けて一気にカットすると上手くいきます。

そのように行うとこのようにアウターケーブルの穴が変形せずに綺麗にカットされます(ピントずれしました)。
ロードバイクケーブル交換

らせん端の飛び出た部分や平らでない部分は、ヤスリにて綺麗に仕上げます。

この時にもし切断面が変形してしまったら更に短く切り直しです。

シフト用のように形を修正するのはNGです。

そのようにして一見きれいに直しても明らかに作動時に抵抗が増えます。

今回使用したフレキシブルタイプのガイドパイプは一長一短があると思います。
ロードバイクケーブル交換

感覚的な印象ですが、曲げ部分は緩やかになるため抵抗が減りますが、形が定まらないがゆえに先端部にまでその負担が生じます。

先端部の負担はさきほどのカット面と同様に、ワイヤーの引きの重さに直結するため注意が必要です。

この車体の場合はエアロハンドルや内装式とすることでどうしても抵抗が増えてしまうため、仕方なくケーブル表面に薄っすらとシリコンスプレーを塗りこみました。
ロードバイクケーブル交換

同様にアウターケーブルにも軽くシリコンスプレーを吹きかけて、使用に適したケーブルの滑りを確保しました。
ロードバイクケーブル交換

シリコンスプレーは長期にわたって安定して作用するので使いましたが、当初は使わずに組んでみることをおすすめします。

スプレー類は埃などを引き寄せる要因になりますので、使わず済むなら使わない方が良いでしょう。

最後にバーテープを巻いて終了となるのですが、私は基本的にテープ裏に糊がついたまま使用しません。
バーテープ交換

糊付きだと巻くときに少し楽ですが剥がす時にとても面倒なため、糊付きのテープの場合には糊をはがして使用します

まずはブラケットの部分でバーテープに隙間が生じてしまうため、それを隠す当てをテープ端から切り出しておきます。
バーテープ交換

後は下ハンドルからバーテープを巻きだすのですが、1cm程度をエンドキャップで織り込むためにはみ出しておきます。
バーテープ交換

また、作業中に端の部分が緩んできてしまうため、粘着力の低いテープで短く留めておきます。

後は内側から外側に引っ張りながら緩まないように巻いていけば良いでしょう。
バーテープ交換

内から外に巻くのは、下ハンドルでもがいた際に手のしぼり方向と一致させるためです(逆だと緩む)。

これで今回のオーバーホールは全て終了となります。

他にもホイールのハブやペダルのベアリングなどのメンテナンスもありますが、今回は実施タイミングでは無かったので行いませんでした。

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