今回はフロントギアのクランク脱着と清掃を行いました。
クランクはこのような全体のオーバーホールとは別に、定期的に清掃してあげることをおすすめします。
なぜならシャフト部分やBB表面に汚れが溜まってきますので、定期的に清掃してあげればBB劣化等も軽減できるものと思われます。
オーバーホール全体では下記内容を順次予定しています。
・スプロケット洗浄
・フォークの脱着清掃
・フレーム&ホイールのコーティング
・BB交換
・シフト&ブレーキワイヤー交換、ハンドル変更
取り外し
はじめにチェーンについてですが、私はミッシングリンクを使用しているのでチェーンを外してしまいますが、そうでない方はインナーギアにしておいた方が作業しやすいかと思います。
クランクの脱着で必要な工具はクランク取り付け工具とゴムハンマーと六角レンチ(アーレンキー)となります
まず左クランクの上下のネジを緩めておきます(取り外さなくてよい)。
次にクランクボルトをクランク取り付け工具で反時計回りにまわして抜き取ります。
※クランク取り付け工具は安いので1つ購入しておくと良いでしょう!
クランクボルトはそれほど強く締められていないはずなので手で回せば外れます。
次にクランクが不意に外れないようについている脱落防止の爪を持ち上げておきます。
これが掛かったままだとクランクが外れないため、手前の隙間に薄いマイナスドライバーや細い六角レンチなどを差し込んで起き上がらせます。
まずは左クランクを抜くのですが、左クランク裏を軽くゴムハンマーでたたいてあげると少しづつ抜けてきます。
軸に無理な力が掛からないようにたたく位置を変えたり、手で左右にこじったりしながら少しづつ抜いてきます。
私の場合クランクにパワーメーターが付いているので、たたける位置が限られてやりにくかったですね。
するとこのように左クランクが抜けます。
左クランクには写真のようにリングがあり、クランク側に張り付いているかもしれませんので無くさないようにしましょう。
次に右クランクを抜くため、クランクシャフトをゴムハンマーでたたき出します。
初めての作業だと密着が強くてなかなか抜けないと思いますが、少しづつずれていくのを確認しながら行いましょう。
ここまで押し込んだら、チェーンリング側を持って左右にきしませながら抜いていきます。
ただ、ここでも初めてだときつくて抜けないでしょうから、その時はチェーンリングの裏側を軽くゴムハンマーでたたき抜きます。
クランクを抜くことができました。
普段から清掃をしているのですが、さすがに右クランク裏側は汚いこと。
クランク取り付け
クランクの洗浄は基本的にはチェーン洗浄と同様の方法で構わないかと思います。
私の場合はチェーンと同様に台所用洗剤で洗ってパーツクリーナーで仕上げ拭きしました。
部分的に自動車用のクリーナーと歯ブラシなども使いました。
この時、ペダルを外さないのであればネジの部分を濡らさないように注意しましょう。
取り付けの際はクランク軸の表面とBBの表面に軽くグリスを塗っておきます。
チェーンを切っていない人はこの時にチェーンをBB部分に掛けるのを忘れないように。
右クランクシャフトの先端をBBに差し込んで、クランク表面をゴムハンマーでたたいて挿入します。
この時に強くたたかずに、軽くたたきながら徐々に入れていきます。
斜めに押し込んでしまうとBBを痛めますので、途中で何回か左右にゆすりながらセンターに挿入されるように調整します。
完全に右クランクがBBに密着するまで挿入すると、反対側にシャフトの先端がこのくらい現れます。
シャフトの上部分にある穴が脱落防止用の爪が入る穴となります。
その穴に合う位置に左クランクの爪を合わせて取り付けします。
左右のクランクが直線になるように取り付けば爪の位置は正しいので、爪を押し込んでロックします。
クランクボルトにグリスを塗って、取り付け工具にて手で締め込みできるところまで締め込みます。
最後に左クランクの付け根にある左右のボルトを均等に締めたら完了です。
複数のボルトで固定する場合は一気に片方を締め切ってしまうのでなく、それぞれを少しづつ締めこむことが均一に締めこむために重要です。
ちなみにこの部分の締め付けトルクは12~14Nmとなっていますので、不安な方はトルクレンチを使用しましょう。
クランク脱着は割と楽な作業なので、清掃も兼ねてやってみてください。
次回はこの作業の合間で行っている難所のBB交換となります(いや~けっこう苦戦した)。
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