チューブレスレディをノーマル空気入れでリム上げする方法&シーラント剤の簡単な剥がし方

固着取れ メンテナンス
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MTBでは当たり前となっているチューブレスレディタイヤですが、最近ではロードバイクでも採用されることが多くなり私の所持している1台もチューブレスレディタイヤとなっています。

※チューブレスレディタイヤとはチューブレスタイヤより薄く柔らかに作れらている代わりにシーラント剤を入れなくてはならないもの。
図解

今回はシーラント剤の交換をする時期になり、作業してみての大変さ楽に行うコツを見つけたので報告したいと思います(チューブレスタイヤでも同様)。

尚、チューブレスレディタイヤの基本的な脱着方法は省くので、不明な方は下記を参照ください。
https://www.giant.co.jp/pdf_manual/TUBELESS_TIRE_MANUAL.pdf

固着したシーラント剤の剥がし方

パンクを防止するシーラント剤ですが、いつまでも入れっぱなしにできない欠点があります。タイヤの空気も少しづつは抜けるため、乗車のたびに補充すると新しい空気に触れたシーラント剤が徐々に固まっていきます。そのため半年程度で交換することが推奨されています。

しかしながら普段使わない2号機にチューブレスレディがついているため、ついつい10カ月くらい経ってしまいました。

結果、シーラント剤が一部固まりだして面倒なことになってしまいました(ただ、半年交換でも全く固まっていないとは思えないのだけれども)。

タイヤを外してシーラントを洗い流し、固まりを布きれで取り除いた状態です。
ある程度処理
洗い流す際に台所洗剤など使うとシーラントの粘着力を弱めることができ、固まり除去がいくらか楽になります。
結構残っているように見えますが、これでも頑張って拭き取ったものです。途中で指の皮がむけたくらいですから。

おそらくこの程度残っていても再使用に支障はないと思われますが、ふと閃きました。
残っているシーラント剤の粘着を弱めるために、何か粉ものがあればと
パウダー
そこでチューブに使ったりすることのあるベビーパウダー(タルク)の登場です。
※本来はチューブパウダーが正しいのですが高いのでベビーパウダーで代用しています。ただし、このメーカー以外だとタルク以外の原料が使われているのでNGです。

ベビーパウダーを塗ってみたところ良い感じで粘着が弱まります
パウダー塗り付け

パウダーをつけながら擦っていくと、ただ擦るよりもずっと楽に固着物が取れて行きます
固着取れ

一通り取り終わったら、再度台所洗剤で洗い流しました(粉が残ってこの後の工程で悪さをすると面倒なため)。

タイヤ装着

装着するために用意するものは、洗剤水です。台所洗剤を1に対して水を1~2程度の濃さで作ります。
※結構濃いめに感じますが、薄いと泡立って面倒です。

この洗剤水をリムの内側に塗ります。この時にたっぷり目に塗った方が最後の難工程が上手くいきます。
リムに洗剤水

タイヤのビード部の周り(内側だけでなく外側も)に洗剤水を塗ります(もちろん両側のビードに)。
タイヤに洗剤水

タイヤを装着していくと後からはめ込む側のビードの最後が入らなくなります。
ビートが入らない

作業の基本通りに全周のビードをリムの真ん中に寄せてから、最後の部分を入れると先ほどより余裕ができて、
余裕ができる

ビードが全て入ります。
全て入る
※ホイールとタイヤの組み合わせによってはタイヤレバーを使わないと無理な場合もあり。

チューブレスレディタイヤの場合はバルブ部を最後に入れるとやりやすいです。
なぜならチューブレスレディのバルブ裏には密着のためのゴムがあるので、その部分はビードを真ん中に寄せることができないため最後にします。

ビード上げ

残るはチューブレスレディ最大の難関ビード上げとなります。
普通は専用ポンプを買う(高価)かCO2ボンベを使う(使い捨てで失敗の可能性あり)のが楽に作業できるのですが、今回は普通のポンプを使って行い上手くいったやり方を紹介します。
と言っても携帯ポンプなんかでは絶対に無理です。それなりに一度に送れる空気量が多いフロアポンプが必要です。

まずは、さきほどホイールに入れたタイヤの状態をビードが上がりやすい状態にします。タイヤの表面を押しながら、真ん中に寄ったままになったビード部分があれば少し広げてあげれば良い程度です。

私は撮影のため立てたまま空気を入れましたが、寝かして行った方がタイヤの一部が歪まなくて空気抜けが起きにくいと思います。この行程では空気漏れを無くすことが一番大切です。なのでビードが曲がっている箇所があれば直してから行いましょう。

次に難作業を楽にするコツとして、ポンプの差込口を浅く差して取り付けます
差込口

皆さんも経験があるかと思いますが、①差込みが浅いといくらやってもポンプ内の圧力が上がるだけで空気が入らない、または②圧力が上がってある瞬間に空気が入りだすと言う経験です。

今回は②の状態をわざと作り出します。そうすることで高まった圧力が一気に入るためにビードが上がりやすくなります。
※取り付け位置は微妙なので調整してみてください

実際にビードが上がる瞬間をご覧ください。

最初に全体がふっと膨らみ、その後にピキッと音がしだしたら成功です。

ただ、前輪はこの方法で上手くいったのですが、後輪がどうしてもすき間から空気が漏れてしまいました。
そこで2つ目のコツですが、タイヤとホイールの位置を10cmくらいずらしてみることです。洗剤水をたっぷり塗ってあるためホイールを押さえながらタイヤをずらしてあげると簡単に位置を動かすことができます。移動させたら空気を入れでガンガンと空気を送ってみます(この時にはポンプの差込みは通常の深い位置でOK)。

空気を入れスースーと漏れているようなら、更に10cmくらい動かして漏れが少ない位置を探します。

漏れが少なく一瞬膨らみ掛かる場所が見つかったら、今度は前後に1cmずつ移動させ抜けがもっとも少ない場所を見つけます。

その場所が見つかったら最後の勝負です。空気入れを浅く噛ませて空気をガンガン送っていきます。

どうでしょう!できましたでしょうか?

シーラント注入

後はシーラント剤を注入するだけです。
今回は車体購入時についてきたシーラントを使います。50mL(約50g)入りなので、タイヤ1本あたり25g投入します。
シーラント重量
元の量からどの程度入ったか重量で確認するため、元の重量を測定。

バルブコア外しツールを使って、バルブコア(銀色の部分)を外します。
バルブコア外し

シーラント容器の先端を密着させ、
先端を密着

回転させ下側にもってきたら、シーラント剤を押し込みます。
回転させる
この方法だと注入量が分からないため入れすぎないように注意し、数回に分けて計量しながら行います(専用注入器を使う方法もある)。

最後にホイールを回転させてシーラントを全体に行きわたらせたら完了です。日付をメモって半年後には入れ替えましょう。
行きわたらせ

作業軽減ポイントのまとめ

固着シーラントの剥がし方

①台所洗剤で洗って、固着シーラントの粘着を弱める
②パウダーを使って再付着しないようにしながら、擦り取る

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ビード上げ

①洗剤液は濃いめでたっぷりと塗る
②空気入れ差込口をわざと浅く差し込む
③タイヤとホイールの位置を変えて、密着の良い組み合わせの場所を見つける

メンテナンス
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