富士山に存在するあざみライン、皆さんは知っていますでしょうか?
また、走ったことはありますでしょうか?
あの地獄を味わうべくして、今年も挑戦してくることにしました。

すでに一般人には理解できないアホな思考だニャ~
思い起こせば初チャレンジの時ほど過酷だった事は人生の中で無いかもしれません。
その頃は少々ヒルクライムにも慣れ自信がついてきていて、あざみラインを普通のヒルクライム+αくらいにあまく見ていました。
ゆえに現地までも自走で行ってしまい、スタート地点ですでに片足が痙攣ぎみであったにもかかわらず上り始めてしまいました。
さらに致命的だったのが、中間地点までは斜度10%くらいまでだったために結構なハイペースで上ってしまった事です。
その結果、そこからの20%超えが続く鬼区間で脚力の全てを使い切り、残り1/3ほどはこれまでにないほどボロボロの状態だったのを思い出します。
正直あの状態で1度も足をつかなかった事が奇跡的と思えてなりません。
そんなあざみラインに懲りることも無く今年も挑戦してきました(STRAVAの記録はリンク先に)。
https://www.strava.com/activities/5371264945
馬の背へ
今回は過去の失敗を教訓にスタート地点の道の駅すばしりまでは自動車にて移動してきました。

ロードバイクを組みたてると軽く柔軟体操を行っただけで出発することにしました。
通常ならいくらかアップ走行をしてからヒルクライムに向かうべきなのですが、あざみラインの場合はそのアップに使う体力さえも勿体ないため、序盤はアップを兼ねながら上っていきます。
スタート地点は道の駅からあざみラインに出たT字路となります。

今見ると富士山が綺麗に見えていたのですが、この時はいろいろ考えすぎていて全く目に入っていませんでした。
スタートしてしばらくは真っすぐな道がどこまでも続いています。

一見するとなだらかな道のように見えますが、実は目の錯覚で実際には8%前後の斜度があります。
実際に走っている私自身でさえ坂が緩く見えてしまっていましたが、身体は正直で、急に走りだしたため全くスピードに乗れていませんでした。
もしサイコンに傾斜表示がなければ体調が悪いのかと引き返してしまいそうになるところでした。
映像には写っていないのですが、足元の橋の下を自衛隊の戦車が通り抜けていきました。

戦車のキャタピラの振動が伝わってきてちょっと興奮しました。
そんな楽しい時間もほんのわずかで、気がつけば斜度が10%超えとなっていました。

アップができていればそれほどの斜度でもありませんが、身体が動いていない中での12%は本当にキツくて、この区間の6分間はとても苦痛でした。
そうしたなかで身体の方もやっと目覚めてくれて、同時に斜度も緩くなり一気に快適走行に変わりました。

ようやくこのあたりで体力をセーブし始めて、できるだけ臀筋を使う事と急斜面でも回すペダリングを意識することに集中しだしました。

ところでこの日はツアーオブジャパンが実施されるために、1kmごとに残り距離数が表示されています。
以前はこの表示を見ると気持ちが折れる(まだそんなにあるのって)のでできるだけ見ないようにしていたのですが、今日は余裕を持ってみることができました。
なぜなら、前の記事で書いた通りインナーギアをコンパクトギアに変更した秘密兵器が装備されているからです。
そうして調子を上げて走り続けていたところで、ふとっ中間地点の馬の背がなかなか現れないことに疑問がわいてきました。
しばらくすると工事現場が見えてきたため、もしかして2年前の土砂崩れ対策で馬の背を埋めてしまったのではと都合よく考えて喜んでいました。

すると突如馬の背の下り部分が現れて、現実はあまくない事を思い知らされました。

ここまできて無駄に下った分だけ上り返すってのはとても気力を削られます。
感動のゴール
馬の背を過ぎてしばらく進むと、あざみライン最難関の毒キノコゾーンに突入します。

毒キノコの名称はたまたまこの場所に注意看板があるためで、何の関連性もありません。
しかしながらこの毒キノコ看板から先しばらくの間はずっと20%前後の斜度が続きます。

私は若干斜めに走っていたため表示上は20%超えていませんが、真っすぐ走るとゆうに超えるほどの斜度があります。
そのため臀筋を使おうとお尻を少し後ろ気味にした瞬間、前輪が浮き上がったりするほどでした。
どこまでも続く20%ゾーンに苦しめられながらも何とか超えることができました。
するとその先の8%ゾーンが天国に思えてなりませんでした。

もうこの時には10%以下なんて平地にしか見えなくなっていました。
その後も何度か訪れる激坂ゾーンは温存してきたダンシングにて何とかクリアすることができました。

終盤に入って前回よりタイムが遅れていることに気づき慌ててペースアップをはかりました。

今回ギア比を下げたことで激坂区間は速くなったのですが、それ以外の区間で体力温存し過ぎてしまいペースが遅くなっていたようでした。
いつもなら右手にある看板がゴールだったのですが、今回は更に上に変更されていました。

そのうえ追加された100mですが、ここにきて20%超えているではないですか!

最後の最後にほとんどイジメのような仕打ちです。
最後まで苦しめられながらも無事到着することができました。

昼食とTOJ
100m下の山小屋まで戻ると席に着くよりも早く、菊屋のおばさんがいつものようにお茶をふるまってくれました。

すでにこの時間になるとコースがクローズドされて下るわけにもいかず、ここでお昼を食べて時間を過ごしました。
しばらくするとツアーオブジャパン選手たちが上ってきたため、そっと眺めるように道路脇で応援しました。

それにしても面白かったのは、ゴール地点が移動されていることは分かっているはずなのにほとんどの選手が旧ゴール方面を見て確認していた事です。

そして20%超えの坂をみて、勘弁してくれよって感じが伝わってきました。
最後の選手がゴールしてやっと下山することができましたが、駐車場手前まで下ってきたところで観客と思われる人に写真を撮られました。

このタイミングなので選手と勘違いしたと思われますが、恥ずかしいものです。
最後に道の駅にて足湯につかって疲れを癒しました。

今回は過去3回で一番楽に上ることができましたが、前回よりも6分ほど遅くなってしまいました。
過去2回があまりに余裕がなかったために、今回は体力をセーブしすぎたことが敗因でした。
次回は区間タイムの目安を作って挑戦したいと思います。
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