リヤディレイラーは使用中にずれてくることは多々ありますが、まれに中央付近のギアだけずれることはないでしょうか?
私はたまにこれになることがありますが、たいていはワイヤーを張り直した後などの0からディレイラー位置を調整した後に起きることが多いです。
端のギアのずれならばHiまたはLowの微調整ネジで簡単に調整できますが、中央付近だけずれると対応に悩む人もいるのではないでしょうか?
ずれの原因
実際、この状態で何度もショップに持ち込んでも、「これ以上調整することは無理です」とあたかも不可能だと言われる人もいるようです。
でもそれは本当なのでしょうか?
たしかにギアのLowからHiまで完璧に遅延なくシフトするようにしろと言うなら、コンポの状態やグレードによっては難しい事もあります。
ただどこかを犠牲にするにしても、使用頻度の高い中央部がずれたままでどうしようもないなんて事は無いはずです。
ではどのように調整するかですが、まずはなぜ中央付近だけギアがずれたかを理解していると分かりやすいと思います。
ずれた理由はおそらく、ワイヤー張り直しなどでの初期伸びか、ワイヤー固定が緩んだかなどと思います。
ただ、そうであれば中央付近だけでなく全体にずれるのではないかと疑問に思う人もいるかと思います。
実際にその通りで、初期伸びなどであれば本来は全体がずれるはずです。
ただ、そもそもの調整具合がギアにより差があり、端の部分は何とか許容内に収まってしまったのがこの現象ではないかと思っています。
そうであるなら、調整方法はもう分かったも同然でしょう。
まずは、中央付近のずれが解消するようにワイヤーの張り具合を調整し、次にLow側とHi側を調整し直せばよいのです。
作業内容
実際の作業ですが、まずは本当にギアがずれての異音なのか確認します。
目視でギアの噛み合い開始場所を確認しますが、これではずれているのかわかりません。
シマノのギアは変速がしやすいように歯ごとに角度が違うため、歯単体で見てしまうと判断がしにくくなります。
中央ギアに合わせて回した状態が次の通りです。
小さい音ですがカッカッと定期的に音がなっているのが分かりますでしょうか?
どこかのギアがずれてきれいに組み合っていないのです。
調整時に間違って悪化させる方向に調整してしまった映像の方がはっきりと分かるので参考までに紹介します。
先ほどよりもはっきりと異音があるのが分かるかと思います。
ちなみに、他の車種ですが正常な状態は次のようになります。
回転に伴う摩擦音だけで異音がない状態です。
調整はワイヤーの張りを調整するアジャスターで行います。
どちら側にずれているか分からない時には、少しだけ回してみて悪化するか改善するかで判断すると良いでしょう。
調整し終えた状態がこのようになります。
もちろん中央部だけ調整すれば終わりではありません。
ワイヤーの張りをいじってしまったので、LowおよびHiの位置も微調整ネジにて調整する必要があります。
※LowおよびHi位置の調整など通常のディレイラー調整について詳しく知りたい方は、以前の投稿をご覧ください。
このように中央付近のずれは、原因を理解すれば普通のディレイラー調整と同様に行うことができます。
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