ロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイクなどで高価なものは盗難の危険性が常に付きまといます。
そのため初めて購入するとどのような鍵を付けるべきか悩むかと思います。
実際に知恵袋などの質問でも「どんな鍵をつけるべきでしょうか」なんて質問がありますが、残念ながらその質問の認識では盗難防止はできないでしょう。
なぜならば盗難防止には、「停める場所、停める時間、鍵の種類、自転車の値段」をセットで考えないと意味がないからです。
鍵だけで何としようなんてしたらそれこそ2kgもある鍵を持ち歩かなければならなく、軽量なスポーツバイクの意味が無くなります。
そこで今回はどのような鍵のタイプがあるかを知ってもらい、次回の盗難防止について②と合わせて理解してもらおうと思います。
鍵のタイプについて
市販の鍵にはいろいろなタイプがあって全て紹介するのは難しいため、私が使えそうだと判断して購入したものをもとに説明いたします。
現在所持している鍵は8個ほどあり、状況に合わせて使い分けています。
左上から順に見ていきます。
まずは1つめ①のワイヤー錠です。
これが所持している中で一番軽量で小さく、重量は80gでワイヤーの長さはおそらく2mくらいあると思います(伸ばしきると戻らないのでやったことがありません)。
ワイヤー部の太さは表面の樹脂含めて3mm(以降の品も樹脂部含む)となっています。
軽量コンパクトで持ち運びには適しているのですが、防犯効果は最弱の部類です。
次に②のワイヤー錠です。
こちらも細めのワイヤーですが、重量は140gでワイヤー長は1.85m、太さは4.9mm。
丸めてしまうとコンパクトになり軽量で長さがあるので地球ロック(固定物と自転車をつなぐ)などに適していますが、防犯性は低めです。
次に③のU字ロックとなります。
これはU字ロックの中でも軽量なもので、重量は300gほどでパイプ部は14.9mm。
U字部分の高さが13cmしかないため、地球ロックなどできません。
長めなものならば地球ロックも可能ですが、その分だけ重量が増加します。
次に④のワイヤー錠です。
ほどほど太さのワイヤーで、重量は140gでワイヤー長は0.6m、太さは10.9mm。
ギリギリ地球ロック出来る長さで、太さもそこそこあるため防犯と持ち運びのバランスがよいものとなっています。
次に⑤のワイヤー錠です。
これは1つ前の短いバージョンで、重量は100gでワイヤー長は0.35m、太さは10.9mm。
短すぎるために地球ロックはできませんが、ワイヤーカットにはそこそこ耐えられるものです。
次に⑥の警報器付きワイヤー錠です。
こちらはワイヤー錠に警報器が付いたものなので、電池の重量など含めて250gでワイヤー長は0.8m、太さは9.9mm。
警報器の分だけ重めになっていますが、それだけ防犯能力は高くなります。
次に⑦のチェーン錠です。
これは太めのチェーンで、重量は610gでチェーン長は0.97m、チェーンの太さは6.6mm。
個々のチェーンの厚みが6.6mmなので相当な盗難防止効果が高い事が分かります。
次に⑧のチェーン錠です。
これも太めのチェーンで、重量は670gでチェーン長は0.72m、チェーンの太さは6.5mm。
ほぼ⑦のチェーン錠と同じ仕様ですが、ロックがダイヤルではなくキーとなっています。
分類分け
ここまで見てきた鍵を一覧にしてみました。
<タイプA>
①②が該当し、短時間の使用またはサブ錠として複数で使うような場面で利用します。
小さくて携帯性は良いのですが、その分だけ切断に対して弱く身近にあるニッパーなどでも切断できますし、本格的なワイヤーカッターでしたら一瞬で切断されてしまいます。
<タイプB>
③④⑤⑥が該当し、そこそこの太さがあるため、ニッパーなどの日常工具での切断は困難です。
ただし、窃盗団が使うような本格的なワイヤーカッターにかかるといくらか時間はかかるものの切断可能です。
⑥については警報器がついているため防犯効果は高くなります。
<タイプC>
⑦⑧が該当し、相当防犯効果は高くなり、ワイヤーカッターを使っても簡単には切断できません。
ただし、人目につかずに時間が十分あれば切断可能なので、完全に防ぐものではありません。
⑧に関してはABUSのレベル6の品なのですが、これより上にはレベル15まであります。
ただ持ち運びを考えればこの辺りが限界だと思われますし、私自身は購入後に使ったことはありません(重すぎるため)。
利用方法
最初に説明した通り使用する場所などにより違いが出てくるので、詳しくは盗難防止について②を見てもらうとして概要を説明しておきます。
ライド中に安全なコンビニ等でごく短時間しか駐輪しないのであれば、タイプAのみとするのもありでしょう。
ただある程度の駐輪時間となる可能性を考えればタイプA+Bの2本持ちが安全性が高いと思います。
2個持ちで短時間の時にはタイプBのみを使用し、お土産屋での物色や店内での昼食時には2個掛けするような使い方が安全です。
タイプCに関しては使わなくてはならない状況にならないようにすべきだと思います(でもショップのスタッフさんはこれを持って週末ライドなどを先導しています)。
次にどのように持ち歩くかについてですが、タイプAはサドルバッグやボトルケースに入れることができるため収納に困る事はないでしょう。
タイプBに関しては、サイクルウエアのバックポケットに収納可能です。
ただし警報器付きの⑥に関してはちょっと厚みがあるので常用には向いていません。
また③のU字ロックを車体に固定したい場合には必ず車体取り付けアダプターがあるものを購入ください。
私はU字ロックはクロスバイクで主に使っているのですが、取り付けのアダプターが無いと後から何かを流用するなどは難しくなります。
タイプCに関しては、肩にたすきのように掛けて運ぶしかなく、あまり携帯性がよいものではありません。
今回比較に使用した⑦に関してはSportneerさんより提供を受けた品となっています。
この製品について当初は特に利点を見いだせずにいたのですが、今回のように比較してみると私が所持しているABUS製品と同スペックであることが分かりました。
もちろん強度試験など行えていないためその点については分かりませんが、約1/3の価格で購入できるため、強度のある鍵が必要な人にとっては検討の価値はあると思います。
今回は鍵についてのみで説明してきましたが、次回の盗難防止について②にて使用環境に応じた使い分けなどを紹介したいと思います。
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