ロードバイクを完成車で購入した場合、現在ではセミコンパクトクランク(以降セミコン)かコンパクトクランクが装着されているものがほとんどでしょう。
セミコンとはチェーンリング(フロントギア)が52/36、コンパクトが50/34の歯数がついたクランクとなります(前の数字がアウターで/後ろの数字がインナーの歯数)。
どちらのクランクが適切?
そのどちらのギアが適切か考える場合にアウターギアにおける速度を考えると判断しやすいと思います。
リヤのスプレケットを11-28Tまたは11-30Tと想定した場合、最小ギアは11Tとなります。
それを元にした速度を一覧にすると次のようになります。
平地での巡行時は80rpmくらいのケイデンスで走っているかと思いますが、コンパクトクランクであっても46km/hまで出ます(もちろんそのギアを回せる能力があればですけど)。
少し速度を上げたいのであれば90rpmくらいに上げることはさほど苦しいことではないので、その場合には52km/hまで到達することができます。
アマチュアであれば平地でこの速度で走り続けられれば十分ですし、必要があれば100rpmだって短時間なら可能なはずです。
もちろん平地ばかりでなく下りも考慮しなくてはなりませんが、傾斜があればペダリングしなくても50km/h以上は簡単に速度が出ます。
はたしてアマチュアでそれ以上リスクを増やして踏んでいく必要があるでしょうか?
詳しくはありませんが、国内のアマチュアレースであってもそこまで下りで踏んでいかなければならないリスキーなレースがどれだけあるのでしょうか?
そう考えるとアマチュアでの利用の範囲では、フロントはコンパクトクランクで十分なのではないかと思っています。
さらに重量面においても、デュラエースで10g、アルテグラで5g、105で29gコンパクトクランクの方が軽いためいくらか軽量化ともなります(アルテグラだけ何故かチェーンリングによる差が小さい)。
チェーンリングでの勘違い
私も昨年までチェーンリングで勘違いしていた事があります。
所持しているロードバイク1号機にはコンパクトクランク、2号機にはセミコンクランクが付いているのですが、上り専門の2号機がコンパクトクランクだったらどんなに楽だろうと思っていました。
上りを考えた場合、セミコンのインナーが36Tなのに対してコンパクトが34Tとなります。
2T違っていれば激坂で相当助かるだろうと思っていたところ、ギア比を計算してみると思ったほど差がありませんでした。
例えばセミコンクランクのリヤ23Tで考えた場合、ギア比は「1.57」となります。
これに近いギア比をコンパクトクランクで探した場合、それは22T(仮想ギア)となります。
セミコンからコンパクトへ変更してフロントが2T小さくなったとしても、その効果はリヤギアでは1T分にしかならない場所があります。
ただし最も軽いギアを比較すると前34T後28Tが1.21に対して前36T後30Tが1.20となるので大差ありません。
逆に最も重いギアを比較すると前50T後11Tで4.55(80rpmで45.8km/h、90rpmで51.5km/h)、前52T後11Tで4.73(80rpmで47.6km/h、90rpmで53.5km/h)となります。
高速側はコンパクトギアの50Tで十分となるため、50/34Tに替えた方が多くのギアをまんべんなく使えることになり効果的です。
もしリヤスプロケットを大きなものにする方を選択した場合は、リヤディレイラーの許容範囲を超えてしまう可能性があるので注意が必要です(特にSSタイプのリヤディレイラーが付いている場合)。
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