前回のフロントギアに続いて、スプロケットについて前々から気になっている事を考察してみました。
近頃の完成車ではタイヤサイズが23c→25c→28cと変化していますが、スプロケットのサイズも変化してきているのに気づかれているでしょうか?
以前だとスプロケサイズが11-25Tだったりしたものが、11-28Tが標準となり、今では11-30Tや11-34Tが主流になりつつあります。
おそらくタイヤが太くなり、ホイールとタイヤの重量が増えた分をカバーするためにそうなったもの(これについては諸説あるようです)と思われますが、ちょっとした驚きです。
28cのタイヤであれば低速ギアが必要なのかもしれませんが、25cの私の場合にはどのスプロケットが適しているのか検証してみたいと思います。
検討するうえで考慮する条件は次のとおりです。
・平地での高速走行時にギアが足らなくならない事
・下りでは無駄に加速しないので、下りでのギアは考えない
・上りでは激坂用に28Tは必須で、デメリットが無ければ30Tがあるとよい
・平地での高速巡行を考えて、できるだけクロスレシオ(ギア間が近い)であって欲しい
トップギアは何Tが適しているか
まずはトップ側のギアがいくつまで必要か考えてみることにしました。
それには平地での高速巡行時にどこまでギアを使っているかを知る必要があります。
そこで湘南海岸を飛ばしていた時のデータをいくつか確認し、調子が良かった時のものを抜き出してみました。

一番速度が出ていた時でケイデンス102rpmで46.1km/h出ています。
これを計算式に当てはめてみると、フロント50Tでリヤ14Tで走っていた事になります(計算が面倒な方は「ロードバイク ギア比 計算」で検索すれば計算ツールがでてきます。このバイクのフロントギアは50/34Tです)。
他の走行も見てみましたが、平地ではだいたい14Tまで使っている事が多く、まれな絶好調時に13Tまで使う事がある程度だと分かりました。
ベストなスプロケットサイズはどれか
つぎにロー側のギアを考えてみますが、こちらは特に確認の必要はなく経験上でわかります。
斜度20%クラスを上ることもあるため、28Tは必須で30Tがあった方が効果的な場面もあったりします。
そこで希望だけで言えばスプロケットは13-28Tまたは13-30Tがあればベストという事になります。
さて現実問題としてシマノから市販されているギアではどんなものがあるか見てみると、一番種類の多いアルテグラ(CS-R8000)では以下のようなギアがラインナップされています。
11-25T、11-28T、11-30T、12-25T、14-28T、11-32T、11-34T
このうち条件に近いものと言えば11-28T、11-30T、14-28Tという事になります。
11-28Tは今の仕様のままですし、11-30Tは間延びしてクロスレシオとは逆行することになります。
となると残るは14-28Tとなり、これが実用上はベストということになります。
ただ絶好調時にギアが足らないってところが少し気になるところです。
ちなみにこの14-28Tはジュニアギアと言われ、高校生以下が脚に負担をかけないように公認レースで規制するためのギアです。
他には裏技として異なったスプロケのセットをばらして組み上げる方法もありますが、いくつか制約があってあまり効果的ではありません。

上記の表の11番がトップギアになるのですが、そのギアはロックリング(B)で固定できる構造になっています。
そのためセット品の中でトップにあるギアしか固定できる構造になっていないため、使えるのは11T、12T、14Tしかありません(13Tをトップギアにはできない)。
またロー側ギアは3枚と2枚が結合されているため、これを分解して好きな組み合わせにすることもできません。
ちなみにこの結合はデュラや105とはそれぞれ異なっていますのでそこも注意が必要です。
結論としては、14-28Tを試してみたいという気持ちはありますが11-28Tのままでよいかなぁと思っています。

結局もとどおりニャ~
ちなみにデュラエースにだけ、12-28Tなんて組み合わせもあります。
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