チェーンの洗浄剤による洗い上がり比較実験

メンテナンス
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先日チェーン交換を行って古いチェーンで何かできないかと思い、洗浄剤の違いで汚れ落ちに差があるのか比較実験を行ってみました(前から気になっていたんですよね)。

第1テスト

まずは違いの大きい下記3点で比較してみる事にしました。

チェーン洗浄比較で使った洗浄剤

順に右から
①パーツクリーナー
②チェーン専用クリーナー(AZ クイックゾル)
③台所用洗剤

テストするため使用済みチェーンを6コマに切り分けて洗浄比較を行いました。

比較実験用にカットしたチェーン

まず①パーツクリーナーですが、表から3回、裏から3回噴霧して汚れを流しだしました。

パーツクリーナーによるチェーン洗浄

次に②専用クリーナーですが、チェーン全体をひたしながら曲げ伸ばしして揉み洗いし10分放置。

専用クリーナーによるチェーン洗浄

最後に③台所用洗剤ですが、水に適量の洗剤を入れて曲げ伸ばしして揉み洗いし10分放置。

台所用洗剤によるチェーン洗浄

乾燥後にそれぞれをペーパーの上に置き、上からパーツクリーナーをかけて汚れが流れでるようにしてしばらく放置します。

この状態でパーツクリーナー噴霧

結果は下記の通りです。

洗浄剤による汚れ落ちの比較

①パーツクリーナーは薄っすら残った部分がありますがほとんど問題ないクリーン度です。

②専用クリーナーはさすがに綺麗に落ちています(汚れ残りなし)。

③思ったよりも多く残っていたのが台所洗剤です。

第2テスト

私は普段から台所用洗剤で洗浄しているのですが、思っていたよりも汚れ残りが多くて驚きました。

そういえば最近洗剤を変えたばかりなので、もしかしたら洗剤による差があるのではと考え比較実験してみました。

台所用洗剤3種と洗濯用洗剤

順に右から
④フレッシュ
⑤チャーミークイック
⑥JOY(ジョイ)
⑦トップ・クリアリキッド(洗濯用洗剤)

洗浄方法はどれも一緒で、水に洗剤を適量入れてその中にチェーンを浸けて曲げ伸ばしして揉み洗いし10分放置しました。

結果は次の通りです。

チェーン洗浄テスト結果

結果はどれも大差ないものでした(違いが無く残念)。

第3テスト

ここまでテストしていくつか気になる点があるため、確かめの追加テストを行ってみました。

第一テストでのパーツクリーナー6回もの噴霧でほぼ綺麗になりました。

しかしながら各部に6回も噴霧するのは現実的に無駄が多すぎるため表裏から1回づつの計2回噴霧でテストしてみました。

チェーン洗浄結果

結果としては今一つの汚れ落ちでした。


台所用洗剤では種類に関係なく汚れ落ちが良くありませんでした。

しかしながら表面上はとても綺麗になっているので、もしかしたら溶剤系に比べて浸透力が足らないのではと考えました。

浸透力を増やす事は難しいので、代わりに洗浄時にコマ部をブラシにて回転させることで奥に残った汚れを浮き出させることができるのではと考えやってみました。

チェーン洗浄時にブラシ使用
歯ブラシでゴシゴシと

結果は下記の通り、結構な改善が見られました。

チェーン洗浄結果
汚れ残りは半分以下に

やはりコマ内への浸透性が結果に影響しているようです。


浸透性が影響するのであれば酵素パワーが有効ではないかと食器洗浄器用の洗剤を使ってみました。

食器洗い器用JOY

結果は上側が揉み洗いのみで、下側がブラシがけありです。

チェーン洗浄結果

酵素パワーといえどもあまり効果がなく、物理的なブラシが有効のようです

まとめ

やはり専用品は効果が高いことが分かりました(製品にもよるが)。

パーツクリーナーも有効ですが、各面に2回以上噴霧する必要があるのであまり経済的とは言えません。

さらにデュラチェーンなどはコマ内のコーティングに影響があるためパーツクリーナー禁止となっているなどデメリットもありそうです。

そして台所用洗剤洗濯用洗剤ですが、洗浄力はあるがコマ内まで浸透しないため工夫が必要なことがわかりました。

テストで行ったようにブラシを使用することで汚れ残りを最小限にできることもわかりました。

完璧を目指して専用品を使うか、コストを考えて台所用洗剤で良しとするか判断が分かれそうです。

ちなみにチェーンから出てきた黒いものは異物ではありません。

あれはウエットタイプのオイルが摩耗に耐えて変色したものなので、異物ほどの悪さはしません(ドライタイプのオイルが黒くならないのはその成分が入っていないため)。

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