自分もそうでしたが、皆さんはビックプーリーって気になった事ありませんか?
どうなのかと思っていろいろ調べてみると、賛否があるので保留としていました。
そんな時に良さそうな物が、安価になっていたため購入してみました。
購入までの考察
まだ試した事がない人にとって、ビックプーリーって気になる存在だと思います。
効果としてはチェーンの回転抵抗が減って滑らかになるとか、ギア何枚分違うとかのコメントがありします。
確かに理論的にはプーリーが大きくなる事によりチェーンラインの曲がりが緩やかになり、抵抗は減るであろうことは想像できます。
また、多くのビックプーリーはセラミックボールベアリングを採用し、回転抵抗が減ることも魅かれる部分です。
一方、ネガティブな意見の多くは変速性能が落ちるというものです。
具体的には一瞬遅れて変速する、まれに2段飛びで変速する、などの声があります。
変速性能低下を裏付けるひとつとして、シマノがビックプーリーを採用しないのもそのためだとの意見もあります。
これらの良否を理解した上で、購入してみることにしました。
それにもし変速性能で問題が出たのであれば、ガイドプーリーだけ純正品に取り替えればある程度使えるのではないかと考えていました(効果は半減するでしょうけど)。
今回購入した品は「GUB R6000」という中華製品です。
中華製品の割りには知られたシリーズだったので、品質もそれなりにあるだろうと選びました。
購入品について
届いた梱包状態はこんな感じです。
海外通販で、かつ中華系にしては箱に入っているだけ立派なものです(中華系だと国際便でもプチプチで包んだだけなんて当たり前だからね)
中身もきちんとクッションで巻かれていました。
更に製品はビニール袋に入っていました。
この品はバルク品扱いなので、パッケージがない条件で販売しています。
本体はこのような物になります。
プレートはカーボンで、プーリーはアルミ、ベアリングはセラミックとなっています。
裏からみたらこのような感じです。
これって2つのホイールとも17Tという大きなサイズで、ちょっと頑張りすぎているため心配ではありました。
特に上側のガイドプーリーはほどほどの大きさとしているメーカーが多い中で異色な存在です。
ちょっと分かりにくいかもしれませんが、純正品と比べてみました。
純正品はディレイラーに隠れて下側しか見えませんが、全く違うサイズだということが分かるかと思います。
このプーリーの回転のスムーズさがどのくらいか気になるため、回してみました。
どうでしょう!もの凄く長い時間回っています。
もちろん純正品よりも径が大きいので慣性で回り続けやすいのですが、それ以上に回っています。
ビックプーリー装着
ではビックプーリーの取り付けを始めます。
他ではディレイラーを取り外して行うように書かれていますが、チェーンのみ外せばフレームについたまま出来そうなのでそのまま作業します。
5800、5700、4700、4600のディレイラーでは、写真のネジを2mmの六角レンチで抜き取ります。
ネジを抜くと、プーリープレートが外れ、中からバネが出てきます。
バネには向きがあるため、外す時に確認しておきましょう。
5800の場合はバネの巻きが小さくなっている方がプーリープレート側になります。
分解できたら逆の手順にてビックプーリーを組み立てていけばよいのですが、ここで大問題が発生しました。
ビックプーリーのシャフトをディレイラーの穴に差し込もうとしたところ、入りません。
どうやら穴よりもシャフトの方が大きいようです。
何か間違えや原因はないかと純正品と形状確認をしてみました。
純正品はシャフト先端近くにくびれがあり、シャフト中央も少し細くなっています。
それに対しビックプーリーのは先端近くのくびれは同じですが、中央の細くなっている部分が無く、代わりに貫通穴が空いています。
形状の違いが原因か分からないため、ビックプーリーシャフトにグリスを塗って穴にねじ込んでみました。
※この時は余計な要素がないようにバネはつけていません
グリグリとねじ込んでみたところ、何とか穴に差し込むことができました。
しかしシャフトを抜いてみたところ、貫通穴にびっしりと削りカスが詰まっていました。
この写真は2度目のもので、1度目はもっと詰まっていました。
どうやら削れたのはシャフトではなく、穴の内側でした。
4回ほどグリグリと削りだすことで、シャフトが自由に回転できるようになりました。
削りカスを綺麗に取り除き、グリスを塗って組み立てます。
ところがここで分からない事が1つ出てきました。
バネを固定する際に、バネのテンションを調整する穴が8つあいていてどれを使ってよいか分かりません。
付属するマニュアルにはNo.2の穴がスタンダードだと書いてあるのですが、No.2を示した図が2つあり異なった位置を示しています。
どちらの図を信用すべきかわからず、「まったく中華なんだから」とぼやいていましたが、しばらくして気がつきました。
このマニュアル、2種類の製品マニュアルが1枚になっていたのです。
確かに冒頭にチェック欄が2つありますが、説明欄は繋がって書かれていたために2種類の説明が記載されているとは思いませんでした。
差し込む穴も分かったので、後は力業となります。
①バネをディレイラー側の窪みに差し込みます
②次にバネの反対側に、プーリープレートのNo.2穴を合わせます。
③プーリープレートを少し押し込みながら、バネのねじれが強くなる方向に3/4くらいねじってからプレートを押し込みます。
※ねじる前に押し込んでしまうとプーリープレートが車体と干渉するため、軽く押し込みながら行うのがポイントです
④奥まで押し込んだまま、ネジを差し込んで固定します
今回はディレイラーを車体につけたまま作業しましたが、もし外しておこなうと④の作業時にディレイラーとプーリープレートの両方を押さえなければなりません。
ディレイラー側は車体の重量があり押さえなくてよいため、取り外さずに作業した方が楽だと思います。
チェーンの長さ調整
さて、ビックプーリーが装着できました。
ただ、このままだとプーリーが大きくなった分だけチェーンの長さが足らなくなります。
そこで不足量を算出して足してあげる必要があります。
チェーンの長さを決める際にシマノの基準が2つあります。
1)リヤスプロケットの最大ギアが27T以下の時は、アウター・トップにして2つのプーリーが縦に垂直に並ぶように調整
2)最大ギアが28T以上またはシャドータイプ(現行型のほとんど)では、プーリーを通さずにアウター・ローに直結して1コマ(2リンク)足す
※1コマとはギアの外プレートと内プレートの1セット
私の場合、最大ギアは28Tなので1)には該当しません。
ならば2)の方法が適切かと言えば、そうではありません。なぜなら、2)は標準プーリーを想定した方法であるため、これに従うことは間違えになります。
そこで独自の方法で適切なチェーン長を決めました。
やり方は、標準プーリーに沿うコマ数と、ビックプーリーに沿うコマ数を数えて、その差分を標準チェーンの長さに足す方法です。
具体的には次のようになります。
まず、標準プーリーに掛かり始めるリンクを決めます。
汚れて分かりにくいですが、金色のミッシングリンクを使っているためそれを基準とします。
そこから1コマずつ動かしていき、基準リンクがプーリーから外れる寸前まで数えます。
ぴったしの位置ではありませんが、一番近い場所は6コマ分です。
次にビックプーリーでも同様にして数え始めます。
ビックプーリーの場合は8コマ分です。
よって8-6で、2コマ分を標準チェーン長に足してあげることとしました。
変速調整
さあ、ここまできたらもう少しです。
最後に変速調整を行うだけです。
ところが噂の通り、変速調整が上手くいきません。
どう調整しても、どこかのギアで不都合が生じてしまいます。
そこで設定を全てキャンセルして初期状態にもどして、厳密にやり直すことにしました。
また、その時に新たな調整方法を思いつきました。
ビックプーリーであることと、ミッシングリンクで簡単にチェーンが取り外せる事を活かしてこのようにして調整しました。
チェーンがあるとどうしてもフロントの位置に引っ張られて、プーリー位置が微妙に影響を受けたりします。そこでチェーンを外します。
次に、プーリーをスプロケットに近づけることで、ずれがはっきりさせます。
※プーリープレートを指で押し下げて、ガイドプーリーを近づけています
この方法で調整した後に、チェーンを掛けて変速を繰り返し微調整して完璧な状態になりました。
実際に走り出して感じた事は、高級オイルでも塗布してあるように、ヌルヌルした感触でペダルが回ります。
普通に流しているだけだと「ちょっと違うかな」程度ですが、高速巡航すると2km/hくらい速く走れます。
ヒルクライムでは回転がスムーズなので、メンタル面に効果があります(心が折れにくい)。
ではデメリットは無いのかと言えば、この製品に限っては大きなものはありません。
確かに変速調整はシビアになりますが、調整さえできてしまえば使用には弊害はありません。
よく、シマノのガイドプーリーには特許での横ブレがあるため優れていると言われていますが、このビックプーリーは似たようなブレがあります(ブレ方が違いますけど)。
どうですかこれを機会にビックプーリーを検討してみませんか?
尚、使っていて不都合が出たら追記します。
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