過去のサイクル雑誌をWEB版でまとめて読んでいたら、「おいおい、そりゃ違うだろ!」ってツッコミたくなる記事がありました。
それはCYCLE SPORTSの2025/1月号の記事です。

数ページにわたる特集なんですがざっくり要約すると
10年くらい前のバイクに比べて現行バイクは進化していて、当時のハイエンドバイクは今のミドルグレードレベルしかないので買い替えを考えてみたら。それも現行ハイエンドは必要ないのでミドルグレードでも良いと思うよ。
って内容なんです。
◆何がおかしいか細部を順に検証したいと思うんですが、まずは最初のページに誰のどのような根拠か不明だが「あの時のフラッグシップの性能は今の安価な普及グレードと同等」と言い切っています。
私がここ10年ほど数多くのバイクに試乗してきた経験と、所持している10年前のバイクの性能からは「何言ってんの?」ってのが正直な感想です。
確かに10年前に比べて進化してきた部分はいろいろあります。
特にタイヤのワイド化で乗り心地が改善されましたし、スルーアクスルで剛性感もあがりました。
それにより乗り心地含めた総合力はたしかに進歩しましたが、加速や高速維持性・ハンドリングなど基本的な運動性能に関してはそこまで大きな進化はありません。
わかりやすい例としては私の10年前のバイクが現行ハイエンドバイクと十分にタメを張れることです(総合力でなく純粋な運動性能において)。
◆次に記事では「買い替えるかどうかの分水嶺は28cタイヤを履けるかどうか」とあります。

たしかに当時主流だった23cのままだと乗り心地だけでなく路面追従性(路面が悪いと跳ねる)でも劣っています。
しかしながら当時のバイクでも25cなら履くことは可能です。
ホイールを多少ワイドなものに替えて25cタイヤを履けばそれほどタイヤ面で劣ることはありません。
むしろプロほどパワーが有り余っていないアマチュアにとっては軽快さで25cの方が適しているくらいです。
◆納得する部分もあって「最新の機材(コンポ類)のバイクに乗った後に昔の機材に戻りたくない」と書かれています。

コンポ類って性能に直結する部分ではありませんが、新しい機材に触れてしまうと古い機材に比べての性能優位性が気持ちよく感じてしまうのも確かです。
◆さて、要約にも書いた主たる部分に話を戻しますが、そもそも言っていることが矛盾しています。
①と②をページを変えて言っていますが、続けて見てみると無理があります。
①当時のハイエンドバイク=現在のミドルバイク
②ハイエンドバイクは使いこなせないから実力に合ったミドルクラスで充分でそれを検討してみては
当時のハイエンドが現在のミドルクラスで、ミドルクラスに買い換えたら当時のバイクと性能面では変わらないことになりますので何が言いたいのかわかりません。
さらにバイクの進化がすごく当時のハイエンドが今のミドルレベルっていう点は全く同意できません。
なんでこんな嘘を書くのか考えてみましたが、バイクメーカーに忖度(売るために)しているのでしょうか?
または、私などには感じ取ることができないような極限での使用では相当な違いがあるのでしょうか?
そうだとしても記事内でも言っているように「ハイエンドバイクはスーパーマン用」だとすれば、われわれアマチュアには当時のハイエンドバイクのままで充分なのではないかと思ってしまいます。
<補足として>
現在のハイエンドバイクはどのメーカー品でも高いレベルにあります。
しかしながら10年ほど前のハイエンドバイクは各社の性能にばらつきが大きかったのは確かで、どのバイクを基準とするかによっても話は違ってきます。
また、私が感じる性能と雑誌が考えている性能に違いがあるのかはわかりません。
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